平成28年10月18日(火)韓国釜山市で開催された「国際TOT(指導者育成)プログラムの開発に向けて」という会議に参加しました。この会議はトヨタ財団2015年度国際助成プログラムを受けている事業の一つとして開催されたもので、助成プログラム事業のメンバーは日本・インドネシア・韓国の研究者や専門職等で構成されており、福岡市社協からもその一員として参加したものです。助成プログラム事業では、各国の地域高齢者向け保健福祉サービスの動向について相互に理解するとともに、高齢者支援のための「国際的トレーニングセンター」構想をまとめ、国や地方自治体に政策提言することを目指しています。
 今回の会議に、日本からはプロジェクト全体を総括している小川全夫先生(特定非営利活動法人アジアン・エイジングビジネスセンター理事長、九州大学・山口大学名誉教授)をはじめ小川玲子先生(九州大学大学院准教授)、横山正子先生(神戸女子大教授)、田口幹生氏(麻生教育サービス株式会社、介護福祉士)と馬男木(福岡市社協地域福祉課)の5人で参加しました。
 会議のプログラムは各国代表からの基調講演、韓国の高齢者介護の関係者によるパネルディスカッション、各国の取組み事例報告という内容でした。

私は、日本の取組み事例として「福岡市社会福祉協議会 地域福祉ソーシャルワーカー(CSW)の活動」と題して、地域でのワークショップ・座談会の開催支援、災害時に備えた平常時からの見守り活動(ふれあいネットワーク活動)の支援、ふれあいサロンや地域カフェなど多様な居場所づくりの支援、生活支援・買物支援の取組みや家族介護者の支援などを取り上げ、社協のCSWの役割と福岡市内で取り組まれている地域福祉活動を紹介しました。ぶろ1


CSWは、個別相談等で把握した個人の課題を地域の福祉課題として捉え、その解決に向けて住民・地域ボランティアの方々や関係機関等とともに取り組む地域福祉の専門職で、福岡市では各区社会福祉協議会が小学校区ごとに担当CSWを配置しています。
インドネシアには「ポシアンドゥ」という母子保健・高齢者介護に取り組む自治組織があり、シタシェハット財団がその支援をしています。「ポシアンドゥ=校区社協」「シタシェハット=福岡市社協・区社協」のような感じですが、シタシェハットは本人に対する生活環境改善のアドバイスや家族・地域ボランティアに対する介護技術の教育や相談機関といった役割が大きいようです
韓国には敬老堂という高齢者のための拠点があり、そこは常時開いていて歌を歌ったり将棋をしたり、来ている人が思い思いに過ごしています。「敬老堂=公民館、集会所」のような感じで、ふれあいサロンに似た居場所になっているようです。
世界の国々でも地域福祉活動が進められており、少しずつ違いはありますがCSWのような専門職が各地で必要とされ、重要な役割を担っていることが分かりました。

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「CSWは他の国でも必要とされている仕事なんだ」と実感し、社協職員として国際会議の場に参加する機会を与えていただいたことに感謝するとともに、これからも地域の方々と一緒に一つでも多くの地域課題を解決できるよう頑張ろう、自分の仕事に誇りを持って頑張ろう、と強く感じた一日でした。

地域福祉課:M
2016.11.01 Tue l 地域福祉課 l コメント (2) トラックバック (0) l top
夏の猛暑も収まり、朝晩はひんやり涼しくなりました。
通勤電車の中ではクシャミがよく聞かれます。

先日の9月15日は中秋の名月でしたが、
あいにくの曇天で私は見ることができませんでした。

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月は見えなくても、お月見団子はおいしい(^^♪

秋といえば、「○○の秋」という言い方をよく耳にしますね。
市民福祉プラザには福祉・図書情報室があり、私は休み時間によく遊びに行きます。
そこで最近、関家新助著『西洋哲学思想と福祉』という本に触れました。

福祉の技術論や事例紹介とはずいぶん趣きの異なる、
福祉原論ともいえない、西洋の長い歴史と思想から見えてくる人権や福祉のはなし。
人間とは、国家とはなにか。
資本(財産)の威力とどう向き合えばいいか。

これらのことは、そのまま現代日本の社会問題につながります。
個人情報の保護と個人の権益保護というジレンマ、
貧富の差が拡大し、経済的不平等が次の世代にわたって固定化すること、等々。
どれも難しい問題ですが、各人がそれぞれの考え方や風土を踏まえた議論をしなければ、進歩はないと思います。

さて、読書以外にもスポーツや食欲、映画の秋など、いろんな秋があります。
皆さんはどのような秋を楽しみますか?


(地域福祉課:Y)
2016.09.21 Wed l 地域福祉課 l コメント (0) トラックバック (0) l top
 平成28年3月5日(土)、6日(日)の2日間、ACAP2016福岡大会が開催されました。ACAP(アジア太平洋アクティブエイジング会議)とは、アジア太平洋の各地域の研究者・行政関係者・事業者等が集まり、生涯現役社会の実現に向けたさまざまな方策に関する情報交換や調査研究の発表を行う会議のことです。
 2005年に福岡市で第1回大会が開催され、その後、韓国、中国、ハワイ、マレーシア、シンガポールなど、毎年各地で開催されてきました。
記念すべき第10回大会は、いまや世界的な課題となっている「健康づくりのための戦略」「超高齢社会に向けたICTの利活用」「国際介護人材の養成」「超高齢社会とコミュニティづくり」をテーマに、ACAP発祥の地となった福岡市で開催されることとなり、国内外から300名が参加しました。
 タイトルにある「スタディツアー」というのは、大会翌日の7日(月)に福岡市内の高齢者福祉施設や高齢者を支援する地域活動の現場視察を行うというものです。
大会参加者のうち約130名の視察希望者(7つの国と地域)が6班に分かれ、5コースの「スタディツアー」に参加しました。
 
 私は、そのうちの1つのコースである「当仁公民館で開催されている太極拳サークル」へ韓国の視察団をご案内しました。目的地に向かうバス車内で思いがけず視察団のお一人から名刺交換を求められ・・・。ハングルも英語もできない私は、しどろもどろながら自己紹介をしました。(今からでも英語勉強しようかな)

 太極拳サークルでは普段の活動の様子を見学するつもりだったのですが、視察団のために体験型のプログラムを用意してくださり、みんなで太極拳を体験。視察団の方が、初めての体験だったか定かではありませんが皆さんお上手でした。(サークルの皆さんありがとうございました!)
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そのあとは公民館のプチ施設見学。公民館の職員さんに丁寧に説明をしていただきました。公民館の役割や韓国との違いにみなさん興味津々。情報交換も予定時間をオーバー。
(公民館の皆さん、年末でもないのに事前の大掃除ありがとうございました!)
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残り4つのコースも「ふれあいサロン」や「地域カフェ」など様々な地域活動や、高齢者福祉施設へ足を運ばれました(写真でご紹介)。
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ハワイ、香港in別府校区

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シンガポールinつつみ校区

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インドネシアin三苫校区

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タイin赤坂校区

今回のスタディツアーにご協力いただいた地域の方、施設の方、またツアー運営に関わって下さったみなさん、ありがとうございました。
各コースとも視察受入をしてくれた地域の方々が、きめ細やかに事前準備をされ、大歓迎の中、国境を越えた交流を楽しんでおられた姿が印象的でした。
ある地域では、英語が話せる住民を地域で探して今回の視察受入のボランティアとして活動に巻き込んでおられました。
過去、担当地域の福祉活動への視察(もちろん国内の方)を受け入れた際に、受け入れる側にとってもモチベーション向上になると感じていましたが、今回のような海外からの視察は、地域活動に新鮮な刺激をもたらし、新たな人材発掘など活動の充実にもつながると感じた一日でした。

地域福祉課:T
2016.03.24 Thu l 地域福祉課 l コメント (0) トラックバック (0) l top
平成27年12月6日(日)~12月12日(土)の1週間、トヨタ財団2015年度国際助成プログラム「地域高齢者保健福祉サービスの指導者養成プログラムの国際調和化」のメンバーとして、特定非営利活動法人AABC理事長である小川全夫先生、九州大学准教授の小川玲子先生、麻生教育サービス株式会社の田口幹生氏に同行させていただき、インドネシア視察研修に行ってきました。

インドネシアは高齢化率は5%台と低いですが、人口は世界第4位であるため高齢者人口は少なくありません。
年々高齢化は着実に進行しており、都市部では単身世帯が増え、地域での孤立という課題も出てきています。

インドネシアでは首都ジャカルタ、古都ジョグジャカルタ、ソロという3都市を訪問し、高齢者の保健福祉を研究している大学教授やら政府関係者とのディスカッションのほか、介護現場で働くケアワーカー、そして社協の地域福祉ソーシャルワーカーと似た役割であるソーシャルワーカーの方々との交流などに参加しました。
ディスカッションは全て英語…。
普段は仕事で博多弁は雄弁であっても英語は学生時代以来20年ぶりで、通訳をしていただきながら必死に話についていきました。

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また、ジャカルタでは高齢者の入所施設の見学や保健福祉分野での活躍をめざしている大学生との交流、ジョグジャカルタでは介護予防や在宅高齢者の介護・生活支援に取り組んでいる現場(村)の視察、ソロでは夫が妻を自宅で介護しているという方のお宅に訪問させていただき、生活の様子をお聞きするなど、貴重な機会をいただきました。

日本では世界のどの国も経験したことのない「大介護時代」を迎えようとしており、2025年を見据えて地域包括ケアの構築が進められています。
社会福祉協議会は「誰もが住み慣れた地域で自分らしく暮らせる福祉のまちづくり」を目指して日々地域福祉活動の推進に取り組んでいますが、様々な取り組みや支援の手法は世界の国々にとっても参考になる内容なのだと改めて実感しました。

高齢化はもはや日本だけの問題ではなく世界の問題です。
地域のつながり・人と人とのつながりを大事にし、その人のもつ力を引きだし、その人らしい生活ができる地域を作っていく社協の仕事、「ふれあいサロン」「ふれあいネットワーク」のほか「生活支援Voグループ」「家族介護者交流会」「買物支援」などの支援メニューや、最近特に力を入れている社会資源と協働した地域福祉活動の展開手法も、他国にとって参考になるものだと思います。

今回、社協地域福祉ソーシャルワーカーの機能・役割は国を越えて必要とされているということが分かり、自分の仕事に誇りを持つとともに、さらに自己研鑽し知識・支援スキルを高め、人脈も広げていかねばという強い意欲が湧きました。

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地域福祉課:M

2015.12.28 Mon l 地域福祉課 l コメント (0) トラックバック (0) l top
 RUN伴(らんとも)とは、誰もが認知症を自分事としてとらえ、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりのため、NPO「認知症フレンドシップクラブ」の旗振りで認知症の人や家族・支援者・一般市民・企業・行政が垣根なく実行委員会を結成し、たすきをつなぐリレーを通じて啓発を行うキャラバンです。
2011年に始まったRUN伴は、毎年北海道からスタートし、年を重ねるごとにゴールまでの距離を伸ばしています。今年はついにゴール地点が九州に到達。先日10月31日(土)~11月1日(日)の2日間で、見事、下関市から大牟田市を走り抜けました。

福岡市社協でも、ぜひこの取り組みに協力したいと考え、11月1日(日)に職員有志が博多区那珂南校区の有料老人ホーム「アンリ南福岡」で中継地点のスタッフとして参加しました。

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職員有志とアンリ南福岡施設長(右)


当日は雨の予報でしたが、なんとか天気が持ち、ランナーには走りやすい天候でした。みなさんの日頃の行いの賜ですね。

この中継地点までタスキをつないだのは、認知症の方とそのご家族のチーム。車いすでの参加でした。

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「アンリ南福岡」と、同敷地内にある特別養護老人ホーム「薔薇の樹苑」の利用者の皆さんがゴールテープを持って出迎えてくださいました。


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社協スタッフや伴走者、アンリ南福岡・薔薇の樹苑の皆さんの盛大な拍手に迎えられ、感動のゴール!


たすきを受けて走り出すのは、学生を中心としたチーム。
那珂南公民館をはじめ校区内をランナーが通るため、事前に社協の校区担当職員が地域の方々に呼びかけていたところ、当日文化祭が開催されていたこともあり、那珂南公民館前にはなんと50名以上の地域の方が応援に駆けつけてくださいました。

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那珂南校区福祉のまちづくりプラン「なかいいプラン」(※)の校区目標を掲げて応援です。RUN伴の趣旨にもぴったり合致する目標ですね!
(※福祉のまちづくりプラン…誰もが安心して暮らせるまちをつくるため、地域住民が地域の現状・課題を共有し、目指す姿や具体的な取り組みについて話し合った過程を、プランとして見える形にまとめたものです。)

ランナーが公民館の前を通過すると、地域の方々から大きな声援が送られました。

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地域の方とハイタッチ!お互い笑顔になります。
 

那珂南校区のみなさん、本当にありがとうございました。

 大牟田市で無事ゴールを果たした今年のRUN伴。来年はついに沖縄まで到達する計画もあるようです。これからも応援していきたいですね。
今回、RUN伴にたくさんの方が楽しく参加や応援をされているのを見て、少しずつかもしれませんが確実に、世の中に認知症の理解が広がっていることを実感し、社協職員として参加できたことを、とてもうれしく思いました。
みなさんの地域でも、認知症についての勉強や啓発、認知症の方の支援などに取り組んでみませんか?社協がお手伝いいたします!

(CSW:I)
2015.11.25 Wed l 地域福祉課 l コメント (0) トラックバック (0) l top